zillagodのブログ

国内旅日記 ~自転車旅・登山・徒歩旅行~

美幌から網走 雲海と夕日の湖

早朝のヒルクライム

  2004年8月12日、午前3時、屈斜路湖の和琴野営場。まだ暗い時間に起床した。簡単に朝食をすませ、そそくさと出発した。他に起きているキャンプ客はいない。快晴ではないが、雲は少なく、夜明け前の少し明るい青みがかった空だった。この日は早朝に美幌峠を越える。

 美幌峠は、屈斜路湖の西側外輪山の鞍部を越える。標高525メートルで、湖面からは404メートルの高さである。キャンプ道具満載のヘビー級自転車でも1時間もあれば十分登れる。特に極端に斜度があるところはなかったと思う。何度かつづら折りを繰り返し、午前6時前には頂上に到着した。

美幌峠 雲海の湖

 ねらい通りの光景が広がっていた。屈斜路湖の方角には、雲海が広がっている。美幌峠は、雲海が見えるスポットとして有名なのである。夜間に発生した霧が、屈斜路湖の外輪山の内側に留まって雲海となるのだ。しかも、屈斜路湖は峠からは東に位置する。太陽の光が雲海に反射し、全体が輝いているようだ。

 この峠を訪れるなら、この時間帯がベストである。結構人がいると思っていたが、周囲に人影はない。道の駅があるが、当然この時間帯には営業していない。自販機の缶コーヒーで一服し、至福のひとときを過ごした。 

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美幌峠から見た雲海

美幌町 オホーツクへの道

 峠頂上から美幌市街まで、20キロメートル超の長い下り坂を下った。山岳地帯を抜けると、広い牧草地帯に入って行く。

 麦稈(ばっかん)ロールが至るところにある。麦稈ロールは、麦草を直径約1.5メートルほどのロール状に丸めたもので、牛の寝床に使われる。たぶん、北海道の平野と聞いて、多くの人がイメージする光景だと思う。ちなみに同じようなロールで、色の着いたラップを巻いたものがあるが、これは牧草ロールという。中身は麦草でなく牧草で、牛の餌になる。

 美幌町はさほど大きな街ではないが、内陸の北見と、沿岸の網走のほぼ中間に位置する。他にも阿寒からの国道240号線や、小清水へ続く国道334号線など、多くの道が交わる。また、女満別空港も近い。交通の要衝として発展し、近年では県外からの移住者も多いという。

 朝早く出発したので、まだ朝8時である。網走市街までは平坦な道が約30キロメートルほどで、昼前には着くだろう。そこからは、いよいよオホーツク海だ。

網走湖 夕日の湖

 さて、この道は2017年にも通っている。そのときのことを記す。この道を通ると、網走市街に達する前に網走湖がある。この年は、その湖畔の呼子浦キャンプ場に一泊した。キャンプ場は湖に面しており、夕焼けが大変綺麗であった。西に向かってテントを設営し、暗くなるまで夕日を眺めていた。雌阿寒岳のくだりで書いたとおり、この時の旅の計画は、登山靴の破損のため大幅に狂っており、途方に暮れていたのかもしれない。

 岸辺のすぐ近くの水中には沢蟹がいて、目や鋏を水面に出したり引っ込めたりを繰り返していた。テントの中で寝転んで、入口を開けて外の光景を眺めていると、目線が水面に近くなり、なんだか自分が湖から顔を出しているように錯覚する。美幌峠頂上とはまた違った形で、湖を満喫した。

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網走湖の夕日