zillagodのブログ

国内旅日記 ~自転車旅・登山・徒歩旅行~

能取岬からサロマ湖 少しばかり趣味の話を

再びオホーツク海沿いへ

 2004年8月15日、昨日は知床峠を越えて、一旦オホーツク海側を離れたが、この日再びオホーツク海方面に向かった。標津から国道244号線を北上。途中で根北峠という低い峠を越える。ここで斜里岳に最接近したのち、再びオホーツク海側に道は降りて行く。ここから網走までは、以前に通過した道を逆行して行く。

 

能取岬

 網走を過ぎて道道76号線を進むと、能取岬にたどり着く。岬の先端に向かうまっすぐの道を進んだ。

 唐突だが、私は怪獣映画が好きだ。ブログのタイトルも「ゴジラGodzilla)」をもじったものである。「Godzilla」から神(God)を除いたのだが、実は「Zilla」という怪獣は別におり、zillaの後に元々付いていたGodを付け足したのである。

 わざわざ能取岬の先端を目指した理由は、これに関係する。1991年公開の「ゴジラvsキングギドラ」で、ゴジラはここから北海道に上陸する。劇中では一度ゴジラは消滅し、代わりにキングギドラが、日本各地で大暴れする。だが、ゴジラは北の海で静かに復活する。派手に暴れるキングギドラとは対照的な演出で、オホーツク海の静かで冷たい雰囲気と相まって、威厳に満ち溢れている。ゴジラが岬を一歩ずつ登り、崖の向こうから徐々に頭部を見せてゆくシーンがある。かの有名なBGMとともに、重厚感溢れる足音を響かせながら登場するこのシーンは鳥肌ものである。

 この映画は、私的ゴジラ映画ランキングでかなり上位に位置する。人間の身勝手さが良く描かれていたからだ。劇中では、一旦、人間の手でゴジラが消滅させられる。しかし、代わりにキングギドラが現れると、これを撃退するためにゴジラ復活を画策する。そして、キングギドラゴジラに敗れ、ゴジラによって再び日本に危機が戻ると、今度は敗れたキングギドラの再生を試みる、といった具合に、ころころ鞍替えする。人智を越えた存在であるはずの怪獣を身勝手に利用しようとする人間の描写は、怪獣映画のテーマの1つである。映画では、身勝手な利用の結果、最後はゴジラが残る。以前よりも強大で凶暴になり、人類はさらなる脅威にさらされるという代償を追う。

 ちなみに、2004年の旅の出発点に根室を選んだのも、実はゴジラがらみである。1999年公開の「ゴジラ2000ミレニアム」の冒頭、ゴジラ根室に上陸する。この映画は、1995年に「ゴジラvsデストロイア」で一旦終了したシリーズの後、満を持して再開された最初のゴジラ映画である。期待に胸膨らまして映画館に行ったのだが、この根室の上陸シーンは非常に臨場感に溢れており、最高である。そして、今回の旅で分かったのだが、映画の中の風景や空気感が、現実のものに非常に近いのだ。劇中、濃霧の夜にゴジラが上陸するのだが、実際に見た根室の夜の霧そのままであった。

 この話題はネタが尽きないので、このあたりにしておくが、こうした映画等の舞台を訪ねるのも、旅の醍醐味ではなかろうか。 

f:id:zilla_god:20190726220140j:plain

能取岬 それらしいところで撮影したが、後で映画を見返したら全然違った

能取湖サロマ湖

 能取岬を過ぎると、すぐに能取湖に着く。この湖は、一部で海と繋がっている。かつては、そこが季節によって開閉し、海水と淡水が交じりあっていた。しかし、護岸工事のため、開閉することがなくなり、今では完全に海水であるという。

 日も傾き始めており、湖畔は静かだった。カラッとした空気は、いつのまにか湿度を上げてきており、灰色の雲が厚くなってきた。間もなく夕立が来る。湖畔には誰もいない。

 

f:id:zilla_god:20190726220449j:plain

能取湖の湖畔

 能取湖の西には、サロマ湖がある。サロマ湖は日本で三番目に大きな湖である。能取湖と同様の汽水湖で北側はオホーツク海に面している。海側を通過することはできず、南側の湖岸を行くのだが、こちらは海側と違って険しい地形であった。移動速度が落ち、日も暮れた。そうこうしているうちに、夕立が降ってきた。たまらず、近くにあった無人の建物の軒下に避難した。公民館のような建物だった。

 しばらく進めばキャンプ場がある。しかし、雨は一向に止む気配がない。この日はすでに150キロも走っている。できればもう動きたくなかった。夜8時、もう誰も来まいと思い、ここで野宿をした。