zillagodのブログ

国内旅日記 ~自転車旅・登山・徒歩旅行~

富良野・美瑛 シーズン外の観光地

富良野観光

 富良野といえば、一面のラベンダー畑を思い浮かべる人が多いと思う。ところが、ラベンダーのシーズンは7月までで私は見ることは叶わなかった。
 2004年8月22日、シーズンがほぼ終わりかけた富良野にいた。この日、何を血迷ったのか、人があまり行かないところに行こうという話になり、十勝岳方面に向かった。したがって、一般にイメージするような富良野観光はしていない。

 ちなみに、富良野には2019年の旅で再び訪れている。4月19日、前日まで、この時期にしては異常な暑さであった。しかし、この日は一変し、寒波が襲来した。冷たい雨に、時折雪が混じっている。気温は一桁で、真冬の東京と同じような気象であった。
 当然、花畑はない。しかも、完全にシーズンオフということで、観光スポットは軒並み営業していない。ときどき雲が薄くなることもあるが、どんよりとした雲の下、一輪の花も咲いていない草の丘を見て周った。

 ガイドマップに載るような観光地をベストシーズンに訪れることはもちろん楽しい。しかし、その光景は、その地のほんの一部を映しているに過ぎない。一面のラベンダー畑もシーズン外では普通の丘だ。4月は北海道ではまだ冬と言って良い。この時期に訪れる観光客などほとんどいない。街にも人通りはあまりなく、シーズン期の様子を全く想像させない。しかし、これもこの土地の姿なのである。観光だけが旅の目的ではない。冷たい空気に覆われた富良野は、人も丘も静かに、夏の訪れを待っているように思えた。
 などと書いたが、シーズン中の富良野にはいつか行きたい。別に、どんよりした富良野を見て、後悔しているのではない。また、ここに訪れる動機ができたのだ。

 

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富良野 シーズン外のラベンダー畑(2019年4月)

 

十勝岳

 さて、2004年は十勝岳方面に向かったのだが、この日は曇っていて展望はあまりなかった。道道291号線を、ひたすら登って行く。遠くからドーン、ドーンという音が響いている。自衛隊の駐屯地から響く音であるらしい。高原には温泉があるのだが、これといってする事もなく、早々に下った。
 下り坂は道道966号線に入った。この道は美瑛まで続いている。十勝高原への登り坂で、足を消耗してしまい、美瑛はほとんど素通りした。

美瑛の町並みと丘

 ここ美瑛も、2019年に訪れている。かつて素通りしたことを若干後悔した。まず、美瑛駅周辺の街並みが素晴らしい。今は道の駅になっている倉庫を始め、石造りの建築物が多い。特に商店街は、各々の建物が共通の造りに統一されている。石造りの三角屋根をしており、まるでヨーロッパの田舎町のようである。
 そして、ひとたび市街を離れると、そこには広大な丘が横たわっている。太古の昔に十勝岳が噴火した際の噴出物が堆積したものである。火山土壌は一般に肥沃な土地となる。これを活かして、現在は、広大な畑や花畑が360度に渡って広がっている。丘の最も高いところの展望台からの風景は、まさに圧巻だった。

 

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美瑛の丘の展望所(2019年4月)

 

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美瑛の丘(2019年4月)

 

 美瑛から旭川まで道は一本である。2004年8月23日。北海道ではもう秋が始まりかけている。稲穂も金色に色づき始めている。広大な風景から、徐々に人工物が増え始めていく。北海公園第二の都市はもうすぐそこである。

 

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旭川への道(2004年8月)