少しは落ち着いてきたので、前回の続きを報告しようと思う。
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もうとにかく会社のすべてが信用できなくなっていた。これまで理不尽なことは多々あった。前回書いた記事のことは、前職では考えられないことだった。それを平然とやってのける周りの神経が全く理解できなかった。
その日の帰宅途中、駅のトイレで吐いた。このときもう無理だと悟った。ここのところ、頻繁に吐き気を催していた。精神的な疲れが肉体にも影響を与えていた。
自宅に帰るまでの間、どうやって辞めようか、それだけを考えていた。何はともあれ、辞める意思を告げなければならない。しかし、明日出社できる自信はなく、上司のことも信用できなくなっていたので、電話もできないと思った。
以前から、「退職代行」なるサービスがあることは知っていた。自分の代わりに辞める意思を会社に伝えてくれるサービスである。知ったときは、ふーんなどと思ったが、今、これを使うか使うまいかという分岐路にいる。相談は無料で、電話・メール・LINEといった手段があり、夜に受け付けている業者もある。
自宅に着き、シャワーを浴びた。少しは冷静になれると思った。分岐路を「退職代行を使う」の道に進んだ。
最初にアクセスしたのは、「退職代行ニコイチ」にした。専属のカウンセラーもいるということで、今の自分にぴったりだと思ったからだ。辞めるのは即日しかないと思ったので、レスポンスの早そうなLINEで問い合わせた。しばらくは、LINEでやり取りをしていたが、途中から返答が返ってこなくなった。3時間待ってみたが反応はない。
業を煮やして、次に「退職代行SARABA」にアクセスした。レスポンスが早い。サービスの内容の簡単な説明から始まり、あっという間に、代行依頼実施の是非の選択肢まで来た。もう迷いはなかった。クレジットカードで料金を支払い、必要な情報を伝えた。会社への連絡は翌日の朝8:30ということになり、この日は寝ることにした。
翌日、いつもと同じ時間に目が覚めた。出社はしないが吐き気がした。朝食を食べる気にはなれなかった。
8:30になった。会社への連絡時刻になった。代行を依頼しているとは言え、気が気でなかった。
8:37、代行業者から連絡が入った。会社から必要な書類が後日送られてくるらしい。「それだけ?」と思った。あまりに事務的すぎた。拍子抜けしてしまった。同じようなことが以前にもあったのではないかと思ってしまう。
その後、徐々に頭の中で勝手に考えが浮かぶようになる。退職代行などという世間から見たら非常識なものを使ってしまったという自己嫌悪と、こんな風にしてしまった会社が悪いという自己肯定が、頭の中でグルグル回っていた。一日中、何もする気が起きなかった。ただ、異様に腹が減る。朝食を抜いたからではない。食べてしばらくたつとすぐにまた空腹になるのだ。いつも食べている量の2倍くらいは食べていたと思う。
次の日、だんだんと自己肯定する考えのウェイトが大きくなっていた。論理的な帰結ではない。人間の自己防衛機能によるものだろう。
これからのことは白紙だ。幸い、貯金は結構ある方だと思う。サラリーマンに戻る気は全く起きない。長年温めていた「自転車で世界一周」を実行に移してみようか。