zillagodのブログ

国内旅日記 ~自転車旅・登山・徒歩旅行~

過去旅日記-北海道

大沼から函館 旅の終わり

2019年5月1日、令和が始まって最初の日、あいにくの雨から始まった。前日まで展望の効いていた噴火湾もこの日は灰色のガスで覆われている。漁港には人影はなく、霧の中の漁船は寂しげであった。 霧の大沼・小沼 八雲からしばらく海岸沿いの道を進むが、森市…

豊浦から八雲 噴火湾沿いの道

豊浦からの道 2019年4月30日、平成最後の日である。お祭り騒ぎをしているところもあったようだが、旅人にとってはいつもと何ら変わることはない普段通りの朝だった。豊浦からはひたすら噴火湾に沿って南下をする予定だ。函館までは2~3日の行程である。 豊浦…

洞爺湖から豊浦 有珠山噴火の記憶と知られざる伊達氏の歴史

有珠山噴火の記憶 有珠山は、現在も活発に活動する活火山である。直近では2000年3月31日に噴火をしている。当時のことはよく覚えている。数日前から噴火は確実に起こると騒がれており、連日報道が飛び交っていた。3月31日の夕方、各TV局が一斉に報道特番を流…

札幌から洞爺湖 羊蹄山を望む峠道

札幌から中山峠を経由して洞爺湖までは、国道230号線を通って約100キロメートルある。過去の旅において、このルートは2回通ったことがある。2004年9月1日と2019年4月28日である。 中山峠までの道 札幌の市街を過ぎると早くも登り坂は始まる。最初は、大した…

札幌 北海道胆振東部地震の影響と観光産業

道庁の友人 2019年4月25日、道庁に勤める友人と札幌市内で会った。平日だったのだが、昼休みを利用して職場から抜け出してきたらしい。 彼は道庁で北海道の観光振興の仕事をしている。これは簡単に言えば、北海道をアピールして観光産業を振興させるのが目的…

千歳から支笏湖 孤独のキャンプ場と冷たい日帰り温泉

千歳から苫小牧 2019年4月23日、千歳市内。新千歳空港に近いこの街の近くには、航空自衛隊の基地がある。日中、ジェット戦闘機が空気を切り裂くような音とともに、市街地の上空を飛んでいるのを何度も目にした。普段、戦闘機など見る機会がない私にとっては…

岩見沢から夕張・千歳 廃線と炭鉱街の未来

夕張への道 2019年4月22日、この日は岩見沢から夕張へ向かう。気掛かりは連日のニュースで報道されていた石炭博物館の坑道火災のことだった。かなり大規模な火災で、数日前から鎮火していない。石炭博物館は行ってみたいと思っていたところだが、この時期は…

旭川から岩見沢 神話と青空と旅人に思いを馳せて

2019年の旅 旭川から札幌 2004年の北海道の旅は佳境に近づきつつあるが、ここで再び2019年の旅について書こうと思う。これまでも度々書いてきたが、この2019年の旅は、転職をした際にできたまとまった時間を利用しての旅であった。もっともこの転職の結果も…

留萌から札幌 嵐の日

嵐の前の静けさ 2004年8月31日、早朝5時、留萌郊外の歩道橋を後にした。昨夜危惧していた台風の影響はまだないようだ。風はやや強いが、まだ雨は降っていない。ただ、空はどす黒く、異様な静けさに周囲は覆われていた。嵐の前の静けさである。 とりあえず、…

稚内から留萌 オロロンラインで武天老師の修行に励む

亀の甲羅を背負って 自転車で行くキャンプツーリングは、武天老師の修行と同じようなものである。重い亀の甲羅を背負って鍛えるというやつだ。荷物を積載した自転車の重量はどれくらいになっているのだろう。実は今まで計ったことはない。感覚で25kgくらいだ…

宗谷岬 いつか越えたい一歩

クローバの丘 2004年8月28日、クッチャロ湖畔を出発する。北へ向かう前に、クッチャロ湖の西側にある、クローバの丘に登った。意外と登りがきつかったが、ここからはクッチャロ湖が一望できる。風が心地よく、晴れた丘から眺めるクッチャロ湖の風景は素晴ら…

旭川から浜頓別 最北への道

過去旅日記は、しばらく大雪山からトムラウシの縦走について書いたが、ここからは、2004年の旅に話を戻す。前回は旭川で筆を止めているので、ここから北へ向かったときのことを書こうと思う。 www.turtle-zilla.com 北へ 2004年8月24日、旭川で仲間と別れ、…

大雪山~トムラウシ縦走登山④ 最高の山行の締めくくり

モルゲンロート 2016年8月13日、ヒサゴ沼の夜明けは綺麗だった。沼の周囲の山々を、朝日が赤く照らしている。見事なモルゲンロートであった。縦走3日目も天候に恵まれた。この日いよいよトムラウシに登頂し、この日で縦走は終わる。最終日の朝にはいつも複雑…

大雪山~トムラウシ縦走登山③ 地球の上の縦走路

長大な縦走路 2016年8月12日、大雪山~トムラウシ縦走の2日目。鮮やかな朝焼けと共に1日が始まった。トムラウシ山までの縦走路を赤く染め上げ、一本の道が突き抜けるように伸びていた。天候は快晴で、視界のすべてが山である。登山道以外の人工物はない。北…

大雪山~トムラウシ縦走登山② 北海道最高峰と巨大なカルデラ縦走路

少々間が空いてしまったが、過去旅日記を再開しようと思う。 前回はこちら zilla-g.hatenablog.com 旭岳 2016年8月11日、縦走の旅は大雪山最高峰である旭岳への登りから始まる。三日間の中で、この登りが一番急できつい。縦走の始まりは、だいたい急…

大雪山~トムラウシ縦走登山① 登山における安全 ~トムラウシ遭難事故を考える~

2016年8月、北海道最高峰の大雪山旭岳からトムラウシまでを縦走する旅に出た。 登山と私 当時、2014年から15年にかけて、仕事が立て込んでおり、休みもろくに取れていない状態が続いていた。2016年は、久しぶりに盆休みをフルで取ることがで…

旭川 軍都と幻の宮

旭川 旭川は、人口の規模では北海道第二の都市である。ガラス張りの大きな駅舎の旭川駅を始め、大型ショッピングセンターやホテルなどが立ち並んでいる。ここも、2004年と2019年に訪れているが、最も大きく変化していたのは、駅舎である。現在のガラ…

富良野・美瑛 シーズン外の観光地

富良野観光 富良野といえば、一面のラベンダー畑を思い浮かべる人が多いと思う。ところが、ラベンダーのシーズンは7月までで私は見ることは叶わなかった。 2004年8月22日、シーズンがほぼ終わりかけた富良野にいた。この日、何を血迷ったのか、人が…

狩勝峠 一人旅で寂しいと感じたとき

台風襲来 2004年8月18日、帯広市街に昼過ぎに到着した。ここで、サイクリングサークルの仲間と合流する。それまで知らなかったのだが、どうやら台風が接近しているらしい。宿泊はキャンプや野宿だったので、携帯電話のバッテリーを節約するために、ニ…

襟裳岬 碧海の道路

2007年の旅 ここで、2007年の旅について書こうと思う。この年は学生生活最後の年であった。当時、私は大学院生で、いわゆる典型的な理系学生だった。研究室に籠る日々を送り、長期の旅からは離れていたが、旅に出たくて仕方がなかった。学生最後の夏…

三国峠から帯広 めくるめく風景

三国峠 2004年8月18日。層雲峡からいったん大雪湖に戻り、国道273号線に入る。この日は帯広まで行く予定だ。 道中の最初は、三国峠越えから始まる。山深い森の中の道をひたすら登って行く。大雪湖側の勾配はきつくなく、終始だらだらした上りだっ…

層雲峡 夕焼けと星空の峡谷

石北峠 2004年8月17日、遠軽を発ち内陸に進んだ。国道242号線を行き、留辺蘂からは国道39号線に入った。この道は旭川まで続いており、この日は層雲峡まで行く予定である。 途中には、標高1050メートルの石北峠がある。地図で見ると、地形は…

上湧別から遠軽 トラブルは突然に

突然の連絡 2004年8月16日、朝早くコンビニを目指した。昨日は意図せぬ野宿だったので、食料がなかった。しかも、風呂に入っていない。 運のよいことに、この近くにある「道の駅かみゆうべつ温泉」には、午前中から入れる浴場があるらしい。迷わずそ…

能取岬からサロマ湖 少しばかり趣味の話を

再びオホーツク海沿いへ 2004年8月15日、昨日は知床峠を越えて、一旦オホーツク海側を離れたが、この日再びオホーツク海方面に向かった。標津から国道244号線を北上。途中で根北峠という低い峠を越える。ここで斜里岳に最接近したのち、再びオホー…

知床 最も素晴らしい峠

2004年8月13日。斜里町を発ち、ひたすらオホーツク海沿いを知床方面に向かう。道路は平坦で景色が良く、さらにカラッとした気候が爽やかで、ストレスになるものは一切ない。 世界自然遺産 知床は2005年に世界自然遺産に登録されている。私が訪れ…

網走から斜里 爽快な海岸道路

2004年8月12日、網走を出発し、国道334号線を知床方面に向かった。オホーツク海に沿い、はるか前方には知床半島を臨める気持ちの良い道路である。この日は快晴で、さらにオホーツク海からの涼風が吹き、気分は爽快だ。 濤沸湖 網走市街から10キ…

網走 「果て」と「入口」

網走の雰囲気 2004年8月12日、屈斜路湖を早朝に発った日の正午前に網走市街に着いた。 上手く表現できないのだが、網走には「果て」の雰囲気が漂っている。実際、昔の日本人にとってはここが果てに違いなかった。ただ、現在の網走市街は、いわゆる普…

美幌から網走 雲海と夕日の湖

早朝のヒルクライム 2004年8月12日、午前3時、屈斜路湖の和琴野営場。まだ暗い時間に起床した。簡単に朝食をすませ、そそくさと出発した。他に起きているキャンプ客はいない。快晴ではないが、雲は少なく、夜明け前の少し明るい青みがかった空だった…

摩周湖・屈斜路湖 静と動の火山帯

話は2004年に戻る。 釧路から弟子屈 2004年8月10日、釧路を出発し道道53号線を北上する。この道、地図上では釧路湿原の中を通っているように思えたのだが、残念なことに湿原は全く見えなかった。 道道は緩やかな丘陵を走り、摩周の市街地に降り…

雌阿寒岳 登山のトラブルは自己責任で

雌阿寒岳 雌阿寒岳は、標高1499メートルの活火山である。今でも山頂では噴気が吹き出ている箇所があり、噴火警戒レベルが上がると入山が規制される。雌阿寒岳の他にも、すぐ南の阿寒富士や、東側の雄阿寒岳といった「阿寒」を有する山が存在する。これら…